五十肩・四十肩の改善に効果的なストレッチのやり方をプロが徹底解説!
ある日突然肩に痛みを感じて、腕をあげようとすると痛い。手が後ろに回らない・上がらない。上着の腕を通すのにもひと苦労。その症状は四十肩・五十肩かもしれません。「何にもしてないのに?」と思われますが「何もしていない」ことが原因で起きていることが多いです。放っておくと日常生活が不便になるばかりでなく関節周りが固まることもあります。まずは症状と原因を理解して、悪化させない、再発させないためのストレッチのやり方をご紹介しますので、諦めずに試してみてください。
四十肩・五十肩とは
四十肩・五十肩の症状・兆候
特に大きな原因がないのに肩に痛みを感じ、その後数週間~数か月かけて徐々に、あるいは急速に痛みが増してきます。特に肩甲骨と上腕骨をつないでいる肩関節に痛みが出ます。
四十肩・五十肩の可能性がある症状としては
- 腕を上げようとすると肩が痛む
- 手が後ろに回りにくい
- 肩がこわばっている感覚がある
- 肩が痛んで寝にくい
症状が進行すると関節包に線維化(固くなること)が生じ、肩の動かせる範囲が著しく狭くなります。このために、つり革を持てない。エプロンの紐を後ろで結べない。洗顔ができない。寝返りが打てない。など様々な症状があり、著しく日常生活に影響します。
日常の簡単な動きでも痛みを感じてしまうのが、四十肩・五十肩の特徴です。症状のステージは「急性期」「慢性期」「回復期」とあり、徐々に回復に向かいますが、場合によっては治る頃には関節周りの筋肉や関節包が固まってしまうケースもあります。そのため肩の可動域が極端に狭くなる状態が続いてしまう方も多くいます。
四十肩・五十肩が起きる原因
正式名称は「肩関節周囲炎」
肩こりとは違うものです。肩こりが筋肉への負荷による疲労や血行不良が主な原因なのに対して、四十肩・五十肩は主に加齢による肩関節の炎症です。自然と治ることもありますが、放置していると、関節が癒着して可動域が狭くなることがあります。急性期には、安静にすることが必要ですが、急性期を過ぎたら、痛みや症状が長引くのを防ぐためにストレッチなどで動かしていきます。
四十肩・五十肩の治し方や主な治療法
【急性期】
疼痛期とも呼ばれ、徐々に痛みとなって現れ、肩の関節内に炎症がある状態です。この場合、炎症を抑えて痛みを緩和させる治療が優先です。この時期に温めたり、無理に運動療法をしてしまうと、炎症を促進させ痛みが強くなることがあります。 炎症の酷い場合は患部を冷やし、安静にすることが重要です。
【慢性期】
夜間痛や自発痛は落ち着つくが、肩の可動域制限が残ります。この時期には患部を温め、運動療法と引き続き肩や周囲の筋肉をほぐしていきます。セルフケアとしては、お風呂で温まったり、無理のない運動がおすすめです。
【回復期】
痛みが楽になり可動域制限も回復します。
無理のない範囲で積極的に動かしていきます。
四十肩・五十肩の改善・解消に効果があるストレッチのやり方
肩甲骨 【リバース・プッシュアップ】
【やり方】
- 椅子を浅く座り、両手をつきます。
- 軽くお尻を浮かせます。
- 胸を張り、軽く顎を引きます。
【ポイント・コツ】
- 手は手根で、椅子を押します。
- 肩甲骨を下げる意識で。
- しっかりと胸を張ります。
【レベルアップ】
- 膝を伸ばします。
- 肘を曲げて、屈伸運動を繰り返します。
- 「ゆっくり」とおこないます。
首【胸鎖乳突筋ストレッチ】
【やり方】
- 頭を横に倒します。
- 倒した方向の逆に顎をあげます。
- 倒している腕を頭に乗せ伸ばします。
【ポイント・コツ】
- 頭の動きは、側屈、回旋、伸展です。
- 腕は乗せるだけ。腕の重さで伸ばします。
- 伸ばしばしている首側の手の指先を伸ばして、肩甲骨を下げます。
肩ストレッチ【振り子体操】
【やり方】
- 片手をテーブルなどに手をついて、上半身が少し前屈みになります。
- 反対の腕をだらんと垂らし、そのまま前後、左右に10〜20回程度小さくゆらし、動かします。
【ポイント・コツ】
- 力まずに腕の重みで動かします。
- 無理がなければ円を描く動きなどをしてみましょう。
- 痛みがない場合はペットボトルなどを持つと、負荷が上がり強化されます。
四十肩・五十肩のストレッチについてよくある質問
ストレッチできないほど痛い時はどうすれば良いですか?
四十肩・五十肩の病状は、「急性期」「慢性期」「回復期」と3つの段階があります。
発症してすぐの強い炎症が起きている時期の急性期の場合は、痛みが強く出ることがあるため、その時期を避け、痛みが弱くなってから、ストレッチを行なってください。
手が後ろに回らない・上がりません
腕を上げたり、手を後に回すと痛い場合、服が着られなくて困ることがあります。
その場合は、無理に肩関節に負荷をかけないよう、着にくいの服を避け、ゆったり目でボタンやファスナーの付いている服を着用するようにしましょう。
四十肩・五十肩を悪化させないためのストレッチ以外の方法はありますか?
すぐに再発してしまう場合は、腱板の筋力低下が疑われます。
その際は、筋力トレーニングを行い、肩関節の安定、保持を目指しましょう。
また肩関節の痛みや腕が上がらないなど、四十肩や五十肩と同様の症状の「腱板断裂」の可能性もあるため、何度も再発する場合は、一度、医療機関に相談した方が良いでしょう。
治ったと思ってもまた再発するのですがどうすれば良いですか?
すぐに再発してしまう場合は、肩甲骨周りの筋力低下が疑われます。
その際は、筋力トレーニングを行って、肩関節を安定させましょう
また激しい痛みや何度も再発する場合は、一度、医療機関に相談されて下さい。
つらい四十肩・五十肩の症状をストレッチで解消しよう!
四十肩・五十肩の痛みは、夜も眠れないほど辛い時もあります。
放置していると関節が固くなってしまい可動域が狭くなり、腕が動きにくくなってしまいます。早く治すためには、ステージにあった体操がポイントです。